シリーズ   元気にしていますか(4) ハワイから送られてきた家族写真

色白で背は高くかわいい顔をしており、私は知らなかったのですが、友達には「私のお父さんはアメリカ兵なの」と語っていました。明るい性格で文化祭のクラス展示では説明係をしていました。
私立高校へ進学しましたが中途退学。その後のことはわかりませんでしたが、どこからか「11PМのカバーガールで出ている」と聞き、毎週、この番組を見るのを楽しみにしていました。ちょこっと水着姿でにこっとカメラに微笑むだけですが元気に活躍している姿を見てうれしくなりました。また、モデルをしているということも彼女が白黒のポートレートを送ってきてくれ知りました。
そのうち、「11PМ」からも消え、消息は分かりませんでしたが、ある日突然、彼女が家に来ました。
「インドへヨガをしに行ってきたの。そこで瞑想にふけっていたら、すっと心の中が空っぽになり軽く軽くなるの」
モデルの世界でいろいろ嫌な面も見てきたようで、それから逃れるためにインドへ行き、何か月も瞑想にふけったのですが、私はその行動力に驚かされました。20代の初めのころに単身でインドへ、それもヨガをしに行くという事などは思いもよらないことで、ただただすごいなと感心するばかりでした。

次は彼氏とのツーショット写真が送られてきました。ハンサムな背の高い細面の青年でアメリカ人でした。彼女はインドの後はアメリカへ行きます。そこで知り合った彼氏です。インドの次はアメリカかとまたしても驚かされました。
私はよく生徒たちに「君たちの活躍の場は日本だけではない。世界中どこでもあなた方が自分を活かせる場がある。これからの時代1日で世界中のいろいろなところに行けるようになる。どこで自分の可能性を活かせられるか、学校で多くのことを学び考えていくことが大事だ。君たちの活躍の場は世界中に広がっている」と言ってきましたが、彼女はまさにそれを実践しているように思えました。
それから20年ほどたってからでしょうか、突然、ハワイから家族写真と手紙が送られてきました。彼女の手紙には

2度の結婚に失敗したものの3度目に挑戦中。彼はGermanで性格のとても硬い人。私をビシビシと鍛えてくださっています。長い44歳という人生の中、いろいろと苦労を重ねさせていただいたおかげで今日の私が存在します。
何はともあれ、現在ここマウイ島ハワイ在住

とありました。家族写真には真ん中で犬を抱いたかわいいおばさんになった彼女と横に眼鏡をかけた夫、そして、中学時代の彼女にそっくりな娘さんと左端には男の子が写っていました。幸せそうな家族写真です。
ところが何度かメールのやり取りをした後、ぷつりとメールがつながらなくなり、手紙を出しても戻ってくるようになりました。3度目の結婚も失敗したのか心配になります。
彼女は今年67歳になるはず。元気にどこかの国で孫たちに囲まれ幸せな生活を送っていることを祈るのみです。
(文責 中野 謹矢)

2025年01月30日