どうしてしんどい思いをして興味のないことをしているの?~その6

ぼろテントの改築から始まった

メンバーが数人の時は私たちが集まるところにはぼろぼろのテント2つと机、いすがあるだけでした。10年ほど前に新しいメンバーが入ってきてくれるようになると、その人たちから「これではいかん」と声が上がり、その中の一人、大手建設会社に勤めていたN氏が図面を書いてくれ、資材を購入、みんなで台風が来てもびくともしないたまり場を作ることができました。これが誰に指示されて作るのでなく、自分たちのために、自分たちが力を合わせて作り上げた最初のものでした。
いろいろと活動をする中で、電気工事の免許を持っている人がいたり、コンピュータに詳しい人、機械の扱いに慣れている人、誰とでも話ができる気さくな人など、様々な能力を持った人たちが集まっていることが見えてきました。
そして、ここには何か開かれた空間のようなものがあるのか、一人一人がだんだんと今まで積み重ねてきた経験をいかしながら、好きなこと、得意とするところを発揮するようになってきました。
人は、得手不得手、感性、身体的条件など千差万別です。それが個性です。だからこそ、パッチワークのようにうまい具合に、それぞれの個性がはまると大きな力になっていきます。それが「人間が人間である所以」のように思われます。
私はだれからも強制されるのでなく、利害得失関係なく、自主的に自由に活動している、この「人の輪」に魅力を感じているのかもしれません。(つづく)  

(文責 中野 謹矢)

2022年12月09日