捨てる人と拾う人

現在、温暖化や大気・海洋・河川・土壌の汚染等、地球を取り巻く環境は急速に悪化していますが、これらはすべて我々人間の行動が原因です。
「しずくの一滴一滴が大河になる」という言葉がありますが、まさに環境問題を解決するにあたっては的を得ているように思います。一人ひとりの思いや行動の一つ一つは小さな滴(しずく)ですが、これらが集まれば小さな川になり、やがて大河になります。自分一人の力ではどうにもならないと諦めてしまって行動を起こさないと、いつまでたっても物事は改善しません。
私達共生学舎では〝平城山の環境を守る〟という方針を掲げて、月二回の定例活動日を中心に管理地と周辺地域の整備を行っています。具体的には竹林や樹木の整備、水路にたまった落ち葉等の除去、草刈り、田んぼや畑の維持管理等です。これらは植物の成長過程で発生するもので、いわば自然対応型の活動です。
しかし、厄介なのは生活ゴミや産業廃棄物等の回収や処理といった人的対応型の活動です。以前は家庭で不要になった冷蔵庫や洗濯機、マットレス、家具等の大型ゴミがいたるところに捨てられていました。これら以外にも電池や蛍光灯、台所用品、ガラス瓶等も散見されました。さすがに最近はこれらのゴミは見かけなくなりましたが、ペットボトルや食べ物の容器、残飯等は依然として捨てられています。
とりわけ近くを通る国道24号線からの投げ捨ては後を絶ちません。国土交通省にお願いして不法投棄防止の立て看板を設置してもらいましたが、効き目はありません。
 共生学舎の管理地外ということで放置しておくと、どんどんゴミが溜まっていくため黙々と回収作業を続けていますが、投棄する人はどのような神経をしているのでしょうか。最低限のルールは守って欲しいものです。
捨てる人と拾う人の戦いはまだまだ続いていくようです。
(文責 中尾直史)

2024年06月28日