耕作放棄地増加への対応

この度、高校時代の友人から〝今年の夏で野菜作りをやめる〟という連絡を受けました。これまで約200坪の土地で野菜作りをしており、色々な情報交換をしながら種・苗等を融通しあってきただけにショックを受けると共に体力的にも難しい年齢になってきたことを実感しました。
日本で農業に従事している人は2010年には約260万人でしたが、毎年10万人以上減り続けて2019年には168万人になっています。しかも65歳以上の農業従事者が約7割を占め、平均年齢は67歳になっています。
農業人口のうち、農業で生計を立てている人は全体の8割の約140万人で、残りの2割は家族で食べるための農作物を栽培している人達です。NPOのメンバーもこれに該当しますが、昨今は多くの団体においてメンバーの高齢化が大きな課題になってきています。この結果、わが国では耕作地はあるが作り手がいないということで、耕作放棄地が年々増大し約40万ha超に及んでおり、これは埼玉県の総面積に匹敵する大きさです。
耕作放棄地では鳥獣類が繁殖する、雑草か繁茂する、地力が低下する、ゴミ捨て場になる等さまざまな問題が発生します。
このように今後は農業人口の減少・高齢化、耕作放棄地の増加がますます加速することが予想され、農作物の生産を確保することは難しくなってきます。
これらに対応するためスマート農法の導入等の動きも出始めていますが、まず地域をあげて耕作放棄地の活用をはかり、地産地消を推進していくことが必要です。
私達も微力ながらNPOの活動を継続していきますので、趣旨に賛同いただける方は是非参加していただきたいと思っています。
(文責 中尾直史)

2024年03月24日