楽しくいただく

最近、食育の輪を広げる活動の一環として、多くの人達と意見交換していますが、「食」に対する考え方に関しては完全に二極化の傾向が見られます。
神経質と思われるくらい、栄養のバランスを考えて料理を作り、食材には徹底して無農薬や無添加の物を使用するという人がおられる一方で、満腹感が得られれば良いという理由で、ほとんど自炊をせず毎日のようにコンビニのお弁当やサンドイッチ、即席麺を食べている人もいます。気になるのは子ども達に対してもお金を渡してこれらの物を食べさせているケースも意外と多いという事実です。忙しくて料理を作る手間暇がないというのが大きな理由かもしれませんが、ちょっとした工夫をすれば大した時間をかけなくても、簡単に料理を作ることができます。
また、食育の重要性を認識されている保護者の中には、心を込めて作った食事にもかかわらず、子ども達があまり食べないので悩んでおられるケースもあるようですが、本来食事は家族のコミュニケーションの場であり、楽しくいただくというのが基本です。
最近は、核家族化が進み、3世代がそろって食事をすることは少なくなってきました。更に家族の中でも〝個食〟や〝孤食〟が増えてきており、会話をせずテレビやスマホを見ながら食事をするといったケースも増えてきているようです。
家族が揃う休日には外食に出かけるケースも多いと思いますが、折角の機会なので、家族で手づくりの料理を作り、団らんするのも良いのではないでしょうか。子ども達にとっても食に関する関心を持つ良い機会になるのは間違いありません。
急に生活のパターンを変えるというのは難しい面もありますので、負担を感じない程度に少しずつ工夫を加えていってもらったらいいのではないかと思っています。
(文責 中尾直史)

(手作りの餃子)

2024年02月11日