日本における食生活の変化

 

 戦後、米と魚と野菜が中心になっていた日本人の食生活は大きく変化しました。
従来、日本の家庭の朝食は主に白米に味噌汁、漬物、納豆、梅干であり、夕食はこれに魚と野菜が加わるといったものが一般的でした。
しかし、手軽であるということもあって、朝はパン食の人が年々増えてきました。これに伴いバターやチーズ、卵、ベーコン、飲み物としての牛乳やコーヒー、紅茶の摂取が主流になってきました。そして、夜の食事も畜産物と油脂を大量に使ったものに変わってきました。
また、多くの外食チェーン店が誕生してきた結果、家庭外で食事をする機会も多くなってきました。更に、ハンバーガーやフライド・チキン、フライド・ポテト、ピザ、スパゲッティー、サンドウィッチ、菓子パン、スナック菓子、インスタント・スープ・カップ麺等のファースト・フードが手軽に入手できるようになりました。これらはすべて外国から移入されたもので、従来の日本にはなかったものですが、概して高脂肪で塩分も多く、健康に良い食べ物だとは言えません。その上、柔らかくてあまり噛む必要もないので、どうしても過食になりがちですし、多くの副菜を摂らないため少ない品目で食事を済ませてしまうということになってしまいます。これではどうしても栄養に偏りが生じることになり、健康に良いはずがありません。
皮肉なことに、日本マクドナルドが設立されたのは1971年で、前述したアメリカでマクガバンレポートが発表され、食生活の改善がスタートしたのとほぼ同時期にあたります。アメリカで元禄時代の日本食の良さが認識されていた時に、日本では食の西洋化が加速し、コメ離れと魚離れが進んできたのです。
 (文責 中尾直史)

2022年06月21日