地球環境を考える中での大きな課題の一つがゴミに関するものです。これから何回かに分けてゴミ問題について取り上げていきたいと思っています。
今、日本ではそれぞれの市町村においてゴミの回収や処理を行っていますが、この実態について関心を持っている人はあまり多くないようです。しかし、環境という視点に立つとゴミ問題は危機的な状況にあるのです。
それでは日本全体で一年間にどれくらいの量のごみが排出されているのでしょうか。2019年のデータによると、実に4289万トン、東京ドーム115杯分という膨大な量にあたります。これは一人当たりに直すと1日で約1キロということになります。そして、このゴミを処理するための費用は2兆円に上っており、これには税金が投入されているのです。
私達は毎日さまざまな種類のゴミを捨てていますが、1日で1キロのゴミを排出しているという感覚はないように思います。日本のゴミの総排出量はアメリカ、中国、ドイツに次いで世界第4位、プラスチックゴミについてはアメリカに次いで2位となっていますが、国土が狭いためゴミを焼却して量を減らして埋めています。
焼却ゴミは総量の8割近くあり世界で断トツになっていますが、日本のようなごみ処理の方式は世界では主流ではありません。また、人口の過疎化や高齢化によってごみ処理する人や施設は減少しており、処理が追いついていない状態です。そして、焼却の比率が高いということはリサイクル率が低いということに繋がっています。このような状況を理解し、改善していく取り組みが不可欠になってきているのです。
(文責 中尾直史)