ハンバーグ1個に使われている水の量

 食料自給率が37パーセントしかない日本は多くの食料を輸入しているため、水の輸入国であることを紹介しました。
参考までに1kgの作物を生産するのに必要な仮想水(バーチャルウォーター)の量をあげると米は3.6t、小麦は2t、とうもろこしは1.9t、鶏肉は4.5t、牛肉は20tということになります。この数字を見てもわかるように、バーチャルウォーターは穀物に比べて畜産物のほうが圧倒的に多くなります。
牛肉を例に取り上げると、牛はトウモロコシなどの穀物を大量に食べて育つため、牛が飲む水に加えて穀物の栽培に使われる水も必要となるからです。そのため牛肉を生産するにはその2万倍もの水が必要となる計算です。鶏肉や豚肉についても同様です。
私達はこれらの食材を使って、さまざまな料理を作っていますが、私達が日頃口にしている料理には、どのくらいの水が必要とされているのでしょうか。環境省のホームページには「バーチャルウォーター量自動計算式」が表示されており、これを使うと料理に使われているバーチャルウォーターを算出することができます。例えば子ども達の大好物のハンバーグでは約1000リットル、気軽に食べている牛丼では約2000リットルの水が使われているのです。これはペットボトル(500mL)だと、およそ1000本~2000本になります。
一般的に経済成長によって所得が増えると肉食が広がる傾向があり、近年新興国や途上国において、急速に1人あたりの肉の消費量が増えてきています。これが世界の水不足に拍車をかけているのです。このような食の現状を知り、日々の食事のあり方を見直していきたいものです。
(文責 中尾直史)

2023年04月15日