地球の表面積に占める海の割合は約7割で陸地面積の2倍以上あります。最初の生命体も海で生まれ、その後さまざまな進化を続け、今では多様な種の生物が地球上に生息するようになってきました。まさに生物にとっては母なる海なのです。しかし、近年この海がごみで急速に汚染されるようになってきています。
海洋汚染の主な原因に挙げられるのは生活排水、農業排水、工業排水、海洋ごみ、船舶事故による油の流出等ですが、この7〜8割は人間が居住する街から発生したものです。言い換えると私達人間の日常生活の中で発生した水やごみが水路や川に流れ出し最終的に海にたどり着くという構図になっています
これらの中でもとりわけ深刻なのがプラスチックごみです。今、世界全体で1億5000万トン以上の量が存在していると言われており、毎年800万トン、5トン積みのトラックに直すと160万台相当という途方もない量が海に流れ込んでいます。
また、最近の研究で指摘されているのが、マイクロプラスチックによる魚介類に対する被害です。これはプラスチックが紫外線や波によって破砕され細かくなったものですが、これらが魚介類に取り込まれることにより生体に深刻な影響を与え、生態系の崩壊につながるというものです。そして、このままの状況を放置していれば今世紀の半ばには魚介類より海洋ごみの量が多くなるとまで言われています。
先日このブログで、世界の国々が2030年までに達成すべき17の目標として、2015年9月に国連サミットで採択された『17の持続可能な開発目標』を取り上げましたが、この中の14番目の項目に掲げられているのが『海の豊かさを守ろう』です
最近、脱プラスチックの動きが広がり始めていますが、国や企業だけでなく、一人一人がプラスチックごみを減らすという意識を持ち行動していくことが何よりも大切であると思います。
(文責 中尾直史)