チョコレートの歴史と現状

陽だまりの部屋において、バレンタインデーについて紹介しましたが、チョコレートの由来について取り上げたいと思います。
日本で使われている「チョコレート」という呼称は英語ですが、これはスペイン語の「チョコラテ」が語源になっています。そのルーツはメキシコインディオで「苦い水」という意味のChocolatre(ショコラトール)です。日本ではチョコレートと言えば固形をイメージしますが、元々は中南米のアステカにおいて唐辛子やバニラ、薬草を入れて病気の治療薬や精力剤として用いられていた大変高価な飲み物でした。その後、16世紀にアステカがコルテスにより征服されスペインの植民地となり、これがヨーロッパにもたらされると瞬く間に王族や貴族の間に広まりました。そして、カカオ豆をお湯で溶かして砂糖や蜂蜜、バニラ、ミルクを加えて健康飲料として飲まれるようになったのです。
今でもお湯に溶けやすくするために脂肪分を減らしたココアが愛飲されています。その後、飲み物であったチョコレートはヨーロッパ各地で固形化され、さまざまな工夫が加えられ現在に至っています。そして、フランスでは「ショコラ」、ドイツでは「ショコラーデ」、オランダでは「ショコラート」と呼ばれています。
現在、一人当たりのチョコレートの消費量については、さまざまなデータがあるようですが、ドイツやスイス、オーストリア、ベルギー、イギリス等は一人平均10kgとなっています。そして、日本のチョコレート消費量はまだ2.2Kg少しということで20位にも入っていません。
このチョコレートの原料となるカカオの栽培については、環境面や労働条件面等多くの課題がありますので、次回に紹介します。

(文責 中尾直史)

 

2023年03月01日