不都合な真実

 地球の温暖化が環境の破壊につながるという警鐘は今に始まったことではなく、20世紀の後半から多くの人達によってなされていました。その代表的な人物がアメリカの副大統領であったアル・ゴア氏でした。彼は〝炭酸ガスや汚水、廃棄物等さまざまな汚染物質が地球を覆い、その処理によってさらに汚染が広がっている。〟また〝森林の消滅による炭酸ガスの増加によって地球が温暖化し、北極や南極や氷河等の氷の溶解によって海水面が上昇する〟。そして〝太平洋の島々の中にはすでに水没の危険にさらされているところが出てきている。〟ということを世界各地で訴え続けていました。
この講演活動を中心に構成されたドキュメンタリー映画が2007年1月に公開された「不都合な真実」です。その後、単行本としても刊行され、地球温暖化に警告を発した功績に対しゴア氏にノーベル平和賞が贈られました。
当時私は教育現場で勤務していましたが、この映画を見て衝撃を受けました。そして、環境に配慮することは〝人に対する思いやりや優しさを育てる〟ことにつながるという考え方に立って、環境教育の導入をはかりました。
『すべきことが分かっていながら手を出せない不都合な真実』。
この『不都合な真実』の中では、個人が地球を守るためにできることとして、
次の10個の取り組みをあげています。
⑴ 省エネルギー型の電化製品や電球に交換する
⑵ 停車中はエンジンを切り、エコ・ドライブをこころがける
⑶ リサイクル製品を積極的に利用する
⑷ タイヤの空気圧をチェックし、車の燃費基準を上げ無駄なエネルギー消費を防ぐ
⑸ こまめに蛇口をしめ、水道の送水に使用されるエネルギーを削減する
⑹ 過剰包装、レジ袋を断り、買い物にはリサイクル・エコ・バッグを使う
⑺ エアコンの設定温度を変えて、冷暖房のエネルギーを削減する
⑻ たくさんの木を植える(1本の木は1t以上の二酸化炭素を吸収することができる)
⑼ 環境危機についてもっと学び、学んだ知識を行動に移す。また、子どもたちは「地球をこわさないで」と両親に言う
⑽ 映画『不都合な真実』を見て地球の危機について知り、友に勧める
一度、自らの生活を見直し、できることから行動に移していただきたいものです。
(文責 中尾直史)

2023年02月27日