地球の温暖化

 今、最大の環境問題は〝地球の温暖化〟です。地球の周りには温室効果ガスの層があって、昼間太陽によって暖められた空気を逃がさないようになっており、このお蔭で地球は生物にとってちょうど良い気温を保つことができています。もし、この温室効果ガスがなければ、地球の気温は冷えすぎて生き物が生存できなくなってしまいます。
それでは温室効果ガスの何が問題なのでしょうか?それはこのガスが増え続け、温かい空気が地球の外に放射されにくくなっているということなのです。人間の体に例えると厚着をしすぎた状態であり、この温室効果ガスの大部分を占めるCO₂(二酸化炭素)の濃度は産業革命が起こった200年くらい前から急上昇するようになりました。
蒸気機関が発明され、その後安価な石油が採掘され自動車産業をはじめとする工業化が進展し、その頃からエネルギーとして石炭や石油などの化石燃料(かせきねんりょう)が大量に使われはじめました。そして、これらを燃やして電力に代えることにより、家庭内にも電気を使う製品が増えることになりました。こうして、人々は便利で快適な生活を享受するようになってきたのです。更にこれに輪をかけたのが人口爆発と言われる世界人口の急増です。
この結果、大気中の二酸化炭素濃度は産業革命前に比べて40%も増加しており、地球の平均気温は産業革命以降1度℃以上も上昇しています。そして、このままの経済活動を続けた場合には、21世紀末に4度℃前後の気温上昇が予測されています。
今でも温暖化の影響で氷河の崩落による海面の上昇、生態系の崩壊、大規模な森林火災、大洪水等といった事象が世界各地で問題視されていますが、このままでは取り返しのできない事態を招くことが予想されます。後世の人達に負の遺産を引き継がないためにも温暖化に歯止めをかけることが急務なのです。
(文責 中尾直史)

2023年02月20日