長寿を誇る長野県の取り組み

 


 前回、日本における平均寿命について紹介しましたが、上位にランクされている都道府県には顕著な取り組みが見られます。これらの中で長野県の例を紹介します。
長野県は今でこそ男女共トップクラス(平成27年・2015年時点で男性が2位、女性が1位)ですが、昭和40年・1965年時点では男性9位、女性26位でした。
それではどうしてこの50年間で改善されたのでしょうか。それは昭和40年代にスタートした「保健予防活動」によるところが大きいのです。
具体的には市町村に「保健指導員」を設置、人口10万人当たりの「保健師」数は全国平均の2倍ですが、注目すべきは健康ボランティアによる自主的な健康づくりです。具体的には保健所の開催する栄養教室や健康教室の受講者の中から意欲的な女性が集い「食生活改善推進員」として料理教室や講習会等食生活の改善をはかっており、現在1万人以上が活動しています。
このように医師、保健師、食生活改善推進員、保健指導員が連携して積み上げてきた住民活動の成果が具体的な数字となって表れてきているのです。
長野県の代表的な食べ物と言えば〝野沢菜漬け〟ですが、気温も低く塩分の摂取量も多かった食生活が改善され、現在野菜の摂取量は全国一になっています。
食生活の改善というのはすぐに結果が出るものではありませんが、地道な努力を続けていくことが大切であると思います。
(文責 中尾 直史)  

2022年05月24日