丸ごと食べる

 わが国は先進国の中では極端に低い自給率にも関わらず、食料の多くを廃棄しています。食料の廃棄には生産段階における肥料や水、流通段階における運送費、生ごみの焼却費等多大なコストが発生します。これらを減らすにはまず必要なものを考えて買う。次に捨てる部分を減らすという工夫が必要です。
そのためには、できれば食材を丸ごと食べるようにすることです。
例えば大根ひとつとってみても、剥いた皮も金平にしたり、葉っぱもすぐに捨てるのではなくご飯に混ぜて葉めしにしたり、おひたしにする。ブロッコリーやキャベツ、白菜の芯なども、細かく切って炒めものや煮ものにする。出し汁を取った後のカツオブシなども捨てずに、醤油とお酒で炒りつけてゴマを振ればひとつのおかずになります。また、骨を取るのが面倒であるということで敬遠されている魚についても調理の仕方を工夫することによって丸ごと食べることが可能になります。鯵はから揚げにして南蛮漬けにする。圧力なべを利用して、イワシの生姜煮や鰤(ぶり)大根を簡単に作ることができます。
更に、食べるのが難しいものでも、ワックスを使っていないミカンの皮を干して自家製入浴剤にするといった使い方もあります。
昨今、食材の値上がりにより家計が圧迫されるようになってきていますが、飢餓人口を減らす、地球環境を守るといった間接的な効果も考え、これを機に食材の有効活用を考えてみてはどうでしょうか。
(文責 中尾直史)

2022年11月27日