いい歯の日

 

 近年、カレンダーの日付に合わせて記念日が設定されるケースが増えてきており、11月8日は「い(1)い(1)歯(8)」の語呂合わせで『いい歯の日』です。
日本歯科医師会は国民へのさまざまな歯科保健啓発活動を行っていますが、80歳で20本の歯を残す「8020運動」の一環として、1993年(平成5年)にこの日をPR重点日に設定しました。
これまでも一般的に歯の丈夫な人は健康な人が多いということは言われてきましたが、しっかり噛めることが消化を助けることになります。この結果、病気を防ぎ、美味しさを味わうことができ、バランスの良い栄養が摂れて健康になるという好循環が生まれるのです。
歯を失う大きな理由は虫歯と歯周病ですが、高齢者に関しては圧倒的に歯周病によるものが多く、80歳代での歯の残存本数は7~8本です。この大きな理由としてあげられるのは虫歯と異なり歯周病では痛みなどの自覚症状がないため歯がぐらぐらしてきたと感じた時には症状がかなり進行しており抜歯せざるを得ないということが多いようです。
近年、歯周病については全身の健康には密接な関係があることが解明されてきており、糖尿病や動脈硬化等になりやすいだけでなく病気を悪化させる原因にもなること、更に誤嚥性肺炎や認知症との関連も指摘されています。また歯周病は中高年以上の病気と考えられがちですが、実は10代後半から発症リスクが高まるようです。
歯周病の原因としては不十分な歯磨きや喫煙、ストレス、定期健診の回避等があげられています。この機会に一人ひとりが大切な歯を守るということを心がけていきたいものです。

(文責 中尾直史)

2022年11月09日