日本は世界で有数の長寿の国になり、令和元年(2019年)時点の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳になっています。
それでは全国で最も長寿な都道府県はどこでしょうか。恐らく沖縄県と思っておられる人が多いのではないかと思いますが、男性のトップは滋賀県、次いで長野県、京都府、奈良県、神奈川県の順となっており、女性のトップは長野県、次いで岡山県、島根県、滋賀県、福井県の順になっています。
そして、沖縄県は何と男性36位、女性は7位となっています。戦前は女性がトップレベルで、1975年~2005年までは連続して全国1位、男性も1980年、85年は1位でその後1995年までは上位5位までに入っていました。
ところが、2000年以降急速に順位を下げることになってしまいました。そして、現在成人の肥満率は全国平均を上回り、働き盛りの世代の死亡率が男女でワースト5位、4位という状況になっています。
この最大の原因として挙げられるのが食生活の変化です。以前の沖縄の食事の特徴は豚肉を一頭丸ごと調理し、鰹節でだしを取り、野菜や海藻、魚介類を摂るというものでした。
ところが、アメリカの統治下でファーストフード店が増え、牛肉を食べる食生活が急速に普及することになりました。そして、現在人口10万人当たりのハンバーグショップ数や飲み屋の数は全国一ということになっています。若い人は週に2、3回はハンバーガーを食べているようです。食生活のツケが将来確実に回ってくるというケースではないかと思っています。 (文責 中尾 直史)