60万部の大ヒットセラー『食品の裏側』を執筆された阿部司氏から『なにを食べたらいいの』という著書を送っていただきました。
この本には同氏自身の興味深いエピソードが紹介されています。それは娘が三歳の誕生日に阿部氏が開発した低級のくず肉を使った肉団子を美味しそうに食べる姿を見て愕然とされ、勤務していた食品総合商社を退職することにしたそうです。それまで、阿部氏はこの会社で様々な食品添加物を駆使して、おいしく美しい商品を作り出す添加物アドバイザーとして活躍されていたのです。
しかし、これを契機として食品添加物のすべてを知り尽くした阿部氏は食品の安全性についての啓蒙活動をスタートされました。
私たちの身の回りには食べ物が溢れていますが、最近はジャンクフードと呼ばれる「塩分」「糖分」「油分」を大量に使用した食品が散見されます。これらは“カロリーは高いが、栄養価の低い食品”の総称で、代表的なものとしてはインスタントラーメンやスナック菓子、調理済み弁当等があげられます。とりわけコンビニの急成長による揚げ物やお弁当、おにぎり、サンドイッチといった食品やスーパーでのお惣菜の増加等に伴って添加物も大量に使用されるようになりました。
そして、安い、簡単、便利、美しい、おいしいといった特徴を持つ食品が続々と開発されるようになったのです。しかし、これらはすべて消費者が求めている物なのです。
食品の裏側のシールを見るとカタカナ表示の添加物が数多く見られます。購入にあたってはこれらがどういう働きをするものなのかを一度調べてみることが大切なのではないでしょうか。
(文責 中尾直史)