食の現状を知る①~阿部司氏の講演より~

 人間が生きていく上で、「食」が大切であるというのは言うまでもありませんが、日々の食事に関してはあまり気をかけずにいる人が多いのではないかと思います。そういう私自身も振り返ると時間がなくて朝食を抜いたり、栄養のバランスを考えずファーストフード中心の食事を続けていたこともありました。
ところが、企業から学校現場に赴任して感じたのは、あまりにもアレルギーやアトピーといった症状を持つ子ども達が多いということでした。この問題意識を持って知人に話をしたところ、阿部司氏を紹介していただきお話を聞く機会を得ることができました。
同氏は食品総合商社に勤務された後、海外での食品の開発輸入や無添加食品等の開発、伝統食品の復活に取り組まれ、『食品の裏側』を執筆されましたが、この著書は60万部の大ベストセラーになりました。
安部司氏は大きなキャリーバッグを持参されましたが、この中には数多くの食品添加剤のビンがぎっしりと詰め込まれており、講演にあたってはこれらをテーブルの上に並べて実際にスーパーに並んでいるジュースや漬物を目の前で作っていただきました。この講演には先生や生徒のほか保護者にも参加いただきましたが、一瞬にして変化する鮮やかな色の食品を見て会場全体が衝撃の渦に包まれました。≪続く≫
(文責 中尾直史)

2022年09月20日