前回、残留農薬について取り上げましたが、今回は食品添加物について取り上げてみたいと思います。食品衛生法では、食品添加物は食品の製造過程で、または食品の加工や保存の目的で食品に添加、混和などの方法によって使用するものと定義されており、安全とその有効性が認められたものが法律で使用を許可されています。
食品添加物は、厚生労働省の定めによると「保存料や甘味料、着色料や香料など、製品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用されるもの」とされており、厳正な調査を経て「人の健康を損なわない」と認められたものだけが流通しています。
メリットとしては長くおいしく食べられる、旨味がしっかりと感じられるといったものがあげられ、今日の豊かな食生活を形作ってきています。令和元年6月時点食品添加物には大きく分けると4つの種類があります。
1つ目は安全性を評価した上で厚生労働大臣が指定したもの463品目
2つ目は「既存添加物」といって日本で既に使用され長い食経験があるもの(クチナシ色素や柿タンニンなど365品目)
3つ目は動植物から得られる天然の香料(バニラ香料やカニ香料など600品目)
4つ目は一般的に飲食に供されている「一般飲食物添加物」(イチゴジュースや寒天など100品目)
世界には多くの食品添加物がありますが、長年の食生活や制度の違いによって、それぞれの国において添加物の定義や対象食品の範囲、さらには使用可能な量なども異なっており、日本では安全とされ使用可能であっても、海外では使用禁止となっている食品添加物も多々あります。
例えば、日本においてゼリーや清涼飲料水などに多く使用されている「赤色2号」という着色料は、アメリカやEU諸国では発がん性やじんましんなどのリスクが高まるとされ、またショートニングやマーガリンを使用したパンや菓子に含まれる「トランス脂肪酸」には、心筋梗塞や脳卒中、認知症などのリスクが高まるとしてアメリカをはじめ台湾やカナダ、イギリス、オランダ、デンマーク、スイスなど多くの国では禁止または使用制限がかかっています。
日本で作られる食事は安心・安全と思いがちですが、実はそうではないという面が見えてきます。 ≪続く≫
(文責 中尾直史)