安全な食材の確保~残留農薬

 

 


人間が生きていくためには食は欠かせませんが、単に満腹感が得られれば良いということでは不十分です。大切なのはその中身であり、体のために良い安全な食材を確保することが何よりも大切です。このために特に注意しなければいけないのは、栄養バランスを考えると共に人体に悪影響を与える食材を避けるということに注力しなければなりません。
近年、特に注目されているのが「残留農薬」と「食品添加物」ですが、まず残留農薬について取り上げたいと思います。
人間の体も同じですが、病気にかかりやすいというのは、抵抗力が落ちてきているからなのです。農作物もこれと同じで、土壌が弱ると病虫害の被害を受けやすいため、これを防ぐために頻繁に農薬使用しているのです。農家の人は農薬が健康に良くないということを知っていて、自分達が食べる農作物には、ほとんど農薬を使わないのに、商品にするものには使っているケースが多いということも聞きます。
 また、最近、その安全性が問われだしたのは、輸入された野菜や果物です。例えば、アメリカ産と国産のレモンを同じように冷蔵庫に入れておくと、国産物は日数が経つとカビが生え、腐ってくるのに対して、輸入物は一ヶ月経っても何の変化もありません。オレンジやグレープフルーツ、サクランボ等も同じです。この理由は、「ポスト・ハーベスト」と言って、農作物の収穫後、害虫や酸化、腐敗、カビの発生を防ぐために農薬を使用しているからです。日本では、収穫後の農薬の使用は禁じられていますが、輸送や貯蔵に多大の時間を要する輸入食材については、品質を維持し、価格の高騰を防ぐために大量の農薬が使われているのです。しかし、ポスト・ハーベストに使用される農薬は、生育中に使用される農薬と異なり、残留の割合が極めて高いのです。
また、加工されている場所が国内であっても、材料が輸入品の場合には、どのような経路を辿っているのかが問題となります。価格だけに目を奪われることなく、よく中身を吟味した上で安全な食材を選ぶことが大切です。
  (文責 中尾直史)
 

2022年07月31日