環境と密接に関係する食料問題

 

  現在、地球には地球の温暖化、海洋や土壌の汚染、大洪水、大型台風、酸性雨等さまざまな環境問題がありますが、これらと食料問題は密接に繋がっています。
食料生産のためには耕作地の確保が不可欠ですが、森林伐採や焼却により環境破壊が進んできました。
また、前述したように、わが国はカロリーベースでは穀物や野菜、牛肉、魚介類等の食料の6割超を輸入しており、運搬のための飛行機や船に使う膨大な量のフード・マイレージや廃棄食料による生ごみの焼却処理にかかる大量の燃料を消費しています。
更に、最近はロシアによるウクライナ侵攻の影響により、世界的な小麦や油脂などの価格上昇により、パンやうどんをはじめとした食品が相次いで値上げされてきています。
農林水産省ではこれまでも食料自給率を引き上げる目標を掲げてきましたが、約半世紀にわたって40パーセント前後の状況が続いています。現在、2030年までに自給率を45パーセントに引き上げる目標を掲げていますが、これを達成するためには国民一人ひとりの食に関する意識を抜本的に変えていくことが不可欠です。
そして、欧米型の食生活を見直し、米を主食とし、国産の野菜と魚を中心とした従来型の日本食への回帰をはかることが大切です。これらの取り組みが輸入食料を減らし地球環境を守ることにつながるのです。
農業・漁業従事者の高齢化や減少といった課題が山積しており、簡単に解決することは出来ませんが、国を挙げて取り組んでいきたいものです。
(文責  中尾直史)

 

 

2022年07月19日