日本が4回連続不名誉な〝化石賞〟に選定される

 

前述したように、日本は2020年に『2050年にカーボンニュートラルを達成する』という野心的な目標を設定しました。しかし、その後に開催されたCOP26(2021年グラスゴー)における日本に対する国際社会の評価は非常に厳しいものになりました。
大きな理由は日本が石炭火力発電所などを延命させ、再生可能エネルギーへの移行を遅らせているというものです。日本は火力発電所の化石燃料の一部を〝二酸化炭素を排出しないアンモニア〟等に転換することで排出削減を進めようという取り組みを行っていますが、これに対して「国内だけでなくアジア全体で石炭火力などを延命させ、再生可能エネルギーへの移行を遅らせている」と批判しています。
その後もCOP27(2022年エジプト)、COP28(2023年ドバイ)が開催されましたが、日本は4年連続の『化石賞』に選定されました。この賞は世界各国の環境NGOが作るグループ「気候行動ネットワーク」が気候変動対策に消極的だと判断した国を選び、取り組みが後退していることを「化石」として皮肉っているもので受賞すること自体が不名誉なことです。
エネルギーは経済を発展させ国民の生活を守っていくためには不可欠であり、まさに環境保全との両立をはかるという難しい舵取りを迫られているのです。
参考までに、今回日本の他にはニュージーランドとアメリカが化石賞に選ばれています。
 (文責 中尾直史)

2024年10月06日