COPによる温暖化対策のルールづくり②

主要なポイントの二つ目は、2015年にフランスのパリで開催されたCOP21で採択された
『パリ協定』です。
この会議には気候変動枠組条約に加盟する196カ国全てが参加し、先進国と発展途上国の間で激しい議論が交わされ、20年以降の温暖化対策としての国際ルールが定められました。この骨子は〝世界の気温上昇を産業革命以前と比べて〟2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする〟というものです。パリ協定が注目されるのは京都議定書以来18年ぶりとなる気候変動に関する画期的な国際的枠組みであり、途上国にも削減義務が課せられたということです。
京都議定書では、先進国のみに削減義務が課せられたため、参加国間に不公平感が生まれ、アメリカ等の離脱が生じましたが、パリ協定ではすべての主要排出国が対象になったのです
そして、達成義務を設けず各国が努力目標を設定し、5年毎に更新することが求められており、2023年以降実施状況を確認することになりました。
また、画期的な排出量削減目標の策定義務化や排出の調査等一部は法的拘束力があるものの罰則規定がないというのも大きな特徴です。
参考までに、2016年の排出量の1位は中国(23.2%),2位アメリカ(13.6%)、3位EU(10%)、インド、ロシア、インドネシア、ブラジルと続き日本は(2.7%)で7位となっています。
これを受けて、各国が独自に削減の指針を決めて、取り組みを行うことになりました。なお、この後も毎年COPが開催され、近年では2021年にスコットランドのグラスゴーでCOP26、2022年にエジプトでCOP27、2023年にドバイでCOP28が開催されています。
日本でもこのパリ協定を受けて排出削減計画が策定されましたが、この内容については別途取り上げることにします。(文責 中尾直史)

2024年09月30日