COPによる温暖化対策のルールづくり①

皆さんはCOP(コップ)という言葉を聞かれたことがありますか? これは締約国会議(Conference of the Parties)の略で、〝大気中の温室効果ガス濃度を安定させる〟ことを目指し、毎年世界の国々が参加して開催されています。
地球の温暖化は世界人口の増加と共に20世紀の後半から急速に進み、看過できない状況に陥り、早急な対策が必要になってきました。このため1992年にブラジル・リオデジャネイロで国連開発環境会議(地球サミット)が開催されることになりました。
その後、1995年に第1回のCOPがドイツのベルリンで開催され、以降新型コロナウイルス流行の影響で延期された2020年を除き、年に1回開かれています。
これまでの主要なポイントは二つあります。一つ目は1997年のCOP3(京都会議)で採択された『京都議定書』です。この会議には当時国連に加盟していた約180か国が参加し、かつてない規模の大きさで地球環境について活発な議論がかわされました。そして、2020年までの世界の地球温暖化対策目標が示されると共に、2008年~2012年の期間に〝先進国(アメリカ、日本、EU等)の排出量を5%削減する〟目標が採択されました。この理由としては〝地球温暖化はすべての国が共有すべき問題であるが、まず先進国が率先しなければならない〟ということです。そのため発展途上国(中国やインドを含む)には削減の義務はありませんでした。しかし、世界最大の温室効果ガス排出量を有するアメリカはこれを不服として京都議定書への参加を見送ったため足並みが揃わず、実際の発効は2005年となりました。≪続く≫

2024年09月24日