2020年の新型コロナ・ウィルス感染症はサプライチェーンの遮断や工場閉鎖、需要の減速等の影響をもたらし、多くの国で自動車生産台数は大きく落ち込みましたが、2023年には約9,400万台と回復傾向にあります。そして、今後、発展途上国における需要の拡大等を考えると、更に増加することが予想されます。
一方、日本国内の自家用車の普及状況を見ると、昭和51年(1976年)に初めて2世帯に1台、平成18年(2006年)にはついに1世帯に1台となりました。また、現状は複数台保有する世帯数も珍しくなくなってきています。このように、日本は完全に車社会になり、我々の生活パターンはどこに行くにも車を使うということになってしまいました。従来であれば、近くのスーパーや商店、飲食店、病院、理髪店等には徒歩で行くのが当たり前でしたが、最近はほとんどの人が車を使うようになっています。
本日もスーパーに徒歩で食料品を買いに出かけましたが、駐車場は車で溢れかえっており、駐車待ちの車も散見されました。
車を使うことは当然、温暖化ガスを排出することに繋がります。しかし、案外知られていないのが家庭の温暖化ガス排出量の約三分の一はマイカーによるものであるということです。この一方で、最近運動不足による肥満や足腰の衰えといった健康への影響が指摘されています。
最近のガソリン急騰で、できるだけ車に乗らないようにしている人や思い切って車を手放した人も増えてきたようですが、経済面、健康面でのメリットを認識して、車の使用を見直していただきたいものです。
(文責 中尾直史)