日本には〝水が潤沢にある〟と思っている人が多いようですが、実は水の輸入国です。この理由は以前にも紹介しましたが、日本は先進国の中でも食料自給率が極めて低く、小麦やトウモロコシ、大豆、牛肉、豚肉、鶏肉をはじめ多くの食物を輸入に頼っています。これらを育てるためには大量の水が必要になるため、間接的にその国の水を輸入していることになります。
現在、日本では水道の普及率がほぼ100パーセントに達しており、各家庭でも蛇口をひねると水が出てくるようになっています。そのためどうしても安易に水を使ってしまいがちですが、浄水場等で作られた水を各家庭に届けるためには大きな送水ポンプが必要であり、多大のエネルギーが使われています。
また最近は各家庭だけでなく、企業や各種の施設においてもお湯のある暮らしが普及してきました。この結果、お風呂、シャワー、洗面所、台所、トイレ等お湯の使用量が増加してきました。これは同時に下水道に流れ込む排水量も増加することになるため、各家庭における電気料金だけでなく上・下水道料金の負担を増やすことになります。
わが家の日常生活を見ても、水を無駄に使っていることが多いようです。歯磨きや洗顔の際に水を流しっぱなしにしないでコップを使う、食器や野菜はまとめて洗う、お米のとぎ汁は捨てずに庭の樹木に施す、お風呂は間を開けないで、家族が続けて入る、といったことです。これらはどれも簡単にできることばかりなので、改善することにしました。
今、我々の日常生活を見直すと、電気や水以外にも取り組むべき課題が数多くあるようです。環境に配慮するという視点に立ち、無駄を省くという姿勢で行動することが何よりも大切であると思っています。≪続く≫
(文責 中尾直史)