待ったなしの温室効果ガス削減


最近のニュースを見ても世界のいたるところで熱波や山火事、洪水等が発生し、深刻な被害が出てきています。この大きな原因は温室効果ガスによる気温の上昇であり、まさに待ったなしの状況になっています。
地球の気候変動に歯止めをかけるため、2015年に世界の国々が集まり、パリ協定が採択されました。この内容は、〝世界共通の長期目標として、世界的な平均気温の上昇を工業化以前に比べて2℃より十分低く保つと共に1.5℃に抑える努力を追求する。そして、今世紀後半までにカーボンニュートラルを実現する〟というものです。
現在、この協定に基づき、現在120以上の国と地域が2050年までに「カーボンニュートラルを実現する」という目標を掲げてさまざまな取り組みを行っています。この〝カーボンニュートラル〟というのは温室効果ガスの「排出量」から、森林などによる「吸収量」を差し引いて、実質的に温室効果ガスの発生をゼロにするものです。
わが国にとってもこのカーボンニュートラルの達成という目標はかなりハードルが高いものです。現在の温室効果ガス総排出量の約6割が家計によるものであるということを考えると、国民一人ひとりが今までの慣れ親しんだライフスタイルを変える必要があります。しかし、この実現にあたっては、国や地方公共団体、企業等が先導すべきであり、自らが主体的に取り組まなければならないと考えている人は少ないのではないかと思います。
現在、家庭からの排出量の3割強が照明・家電製品、3割強が冷暖房・給湯、2割強が自動車になっていますが、日常生活の中にはほんのちょっとした気遣いや努力によってやることが数多くありますので、これから順次取り上げていきたいと思っています。
(文責 中尾 直史)

2024年07月07日