動物が生きていくためには必要なものを食べることが不可欠です。そのため哺乳類を例に挙げると親は授乳が終わると真っ先に餌の摂り方を教えます。
人間の場合には離乳食を経て色々な物を食べるようになりますが、幼児期には親が与える家庭食が基本です。その後幼稚園や小学校での給食等家庭外での食事が増え、
就業により家庭を離れると自炊する人の割合は極端に少なくなり、外食主体の食生活になってしまいます。
よく”三つ子の魂百まで“という諺がありますが、幼児期の教育は人間形成にとって極めて重要であり、幼児期の食育は味覚が形成されるという意味で親が心掛けなければならないテーマです。しかし、憂慮すべきはこのパターンが急速に崩れつつあるということです。
戦前は家庭で料理を作るというのが主体でしたが、戦後核家族化や女性の就業者の増加等の社会構造の変化に伴い食の西洋化が進み外食チェーンが次々と生まれ、手軽に入手できる加工食品が増加しました。
この結果、手軽さのあまり親が手造りの食事やおやつではなく、子ども達に人工甘味料の入ったジュースや菓子、ファーストフードを与えているといったケースが散見されます。そして、この味に慣れた子ども達は大きくなってからも同様な食事を続けるということになってしまうのです。
食育については親の責任であるという認識を持っていただきたいと思っています。
(文責 中尾 直史)