メリハリのある生活を送る

昔は休日が少ないということもあって、とりわけ週休二日制が導入されるまではお正月とお盆以外にまとまった休みを取るということはほとんどありませんでした。
そのため、お正月やお盆は久しぶりに家族が顔を合わせる良い機会でした。しかし、次第に週休二日制が導入され一週間のうちに連続して休む日が増え、更にハッピーマンデー法の導入により、大型連休が増えることになりました。そのため、この年末年始の大型連休を利用して、海外や国内旅行に出かける人やお正月のための特別の準備をしない家庭も増えてきているようです。この結果、昨今は一年を通じての生活のメリハリがなくなってきたように感じます。
日本では年が改まるお正月は特別な期間にあたり、〝一年の計は元旦にあり〟という言葉に代表されるように気持ちを切り替えて、新たなスタートを切るということで、普段とは違った生活を送る風習がありました。
主なものを挙げると◇年賀状を書く◇煤払いを行なう 大掃除を行う◇注連縄(しめなわ)を張り、門松を飾る◇餅をつき、鏡餅を供える◇書初めをする◇年越しそばを食べる◇除夜の鐘をつく◇お正月に初詣に出かける◇お屠蘇でお祝いし、雑煮や御節料理を食べる◇七草粥を食べる等です。
これらが長い歴史の中で、形作られた日本固有の伝統と文化ですが、親から子へ、子から孫へとしっかりと受け継いでこなかったため、これらの意味を知らない人が多くなってきているのは残念です。年間を通じての節を作るためにもメリハリのある生活を送っていきたいものです。
(文責 中尾直史)

2024年01月07日