8月11日は〝山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する〟という趣旨で制定された「山の日」で祝日ですが、国民の関心は少ないようです。
我が家では祝日には必ず国旗(日の丸)を掲揚することにしていますが、最近では国旗を掲揚している家はほとんど見かけなくなってしまいました。これまで多くの国を訪れましたが、街のいたるところに国旗が掲げているところが多かったように思います。
また、8月は学校の夏休みや企業の夏季休暇ということもあって、祝日という意味も薄れがちですが、山の日にあたって、心にとどめておきたいことがあります。
あまり、知られていないのは日本が世界で有数の森林大国という事実です。国土の中に占める森林率はOECD加盟国の中では、北欧のフィンランドやスウェーデンに次いで第3位で、国土の3分の2が森林です。言い換えると豊富な森林資源があるのですが、林業の衰退に伴い十分な活用ができていないのです。
政府は2050年のカーボンニュートラルに向けて、森林の適切な保全と活用を進めるために、林業の成長産業化を推進しています。今回のコロナ禍による「ウッドショック」の影響で輸入材が停滞したこともあって、「木材自給率」が、ほぼ半世紀ぶりに4割台に回復しましたが、まだまだ満足できる水準ではありません。このように、日本には恵まれた環境があるにもかかわらず、これらを生かし切れていないのです。そして、これは農林水産業における共通の課題です。
これからは豊富な資源を大切に保全しながら、適切に活用していくことが、ますます求められていくのは間違いないと思います。
(文責 中尾直史)