企業は社会の公器

最近、個人だけでなく企業による不祥事が散見されます。さまざまな偽装やデータの改ざん、横領や詐欺といった事案があとを絶たないのは残念です。
「企業は社会の公器である」というのは、松下幸之助翁の言葉です。人、もの、金などは、すべて社会からの預かりものであり、〝企業が成り立っているのは、社会が必要とするからである〟ということです。言い換えると、企業は世の中のお役に立ち、社会に貢献していかなければならないという社会的責任があるのです。
諸官庁に努める人たちは公務員と呼ばれ、公の立場にあるということが明示されていますが、企業とりわけ大企業に勤務している人は公務員と同様の立場にあると考えなければなりません。しかし、何故会社ぐるみで不正が働くのか理解に苦しみます。
それぞれの企業には〝自分たちの会社の存在意義は何なのか〟という経営に対する理念があります。この理念に基づいて従業員が担当業務に邁進することでなければなりません。これが長い間に社風を形成し、社会からの信用を勝ち得ることになるのです。今一度、企業のあり方について見直していく必要があるのではないかと思っています。
(文責 中尾直史)

2023年08月08日