失われつつある日本人の心

これまで一日のスタートは現役時代と変わらず朝起きると歯磨きをし、食事の前にパソコンを開くというのが習慣になっていましたが、最近必要な時以外はパソコンを開かないようにしています。この理由は色々なカード会社や通販会社、宅配業者等を装ったフィッシング目的の迷惑メールがあまりにも多く送られてくるからです。爽やかな気持ちで1日を過ごしたいという前向きの気持ちが萎えてしまうのは残念です。

戦後、自分のことしか考えない風潮が強くなってきましたが、最近はこれを通り越して、平気で他人に被害を与える行為が横行しています。
地域の回覧にも毎回のように、銀行や郵便局での振り込み詐欺に注意するようにとの掲示があり、警察からの警告文が掲載されています。また、先日、ある銀行でお金を引き出そうとしたところ、高齢者に対しては限度額が設定されていてATMからは引き出すことができませんでした。担当者に尋ねると数多くの被害が出ているため独自に対策をとっているとのことでした。
しかし、このような対策にも関わらず、先日の海外拠点からの振り込み詐欺等の被害が続出しており、とりわけ高齢者に対する被害の深刻さがうかがえます。
また、以前にも取り上げましたが、コロナによる休業補償費の不正請求や企業によるデータの改ざん、食品の産地偽装、詐欺行為、国会議員による政治資金の虚偽申請といった違法な行為等が連日のようにマスコミをにぎわせています。
悪いことであると認識しながら犯罪に手を染めるというのは、それだけ日本人の心の劣化が進んできているということに他なりません。近年日本経済の国際的な地位の低下が叫ばれていますが、このままではすべての面で世界の二流国になってしまうのではないかと危惧しています。
 (文責 中尾直史)

2023年07月19日