７月も半ばを過ぎ、蝉の鳴き声が聞こえるようになり、梅雨明け間近を感じさせる今日この頃です。7月は「海の月間」になっており、第３月曜日は『海の日』という祝日になっているため、３連休の方も多いと思いますが、他の祝日に比べるとまだ一般的にはなじみが薄いようです。
　この日は、海洋国家として広く日本国民に海への理解と関心を求めることを目的として制定され、「海の恩恵に感謝し海洋日本への繁栄を願う日」と定義されています。もともとは1876年に明治天皇が東北巡幸された後、7月20日に横浜港に入港されたことに因んで、1941年にこの日を「海の記念日」と定められたのが始まりです。
その後近年になって、海の仕事に従事している関係者の間で海の記念日を祝日にしたいという運動が続けられ、1996年（平成８年）に7月20日が海の日に制定されました。その後、2003年（平成15年）からは第３月曜日ということになり、今日に至っています。また、海の日を中心に全国各地においてさまざまなイベントが実施されるようになってきました。
日本は周囲を海に囲まれ、これまで海の恩恵を受けながら発展してきました。そして、世界の国々の中で、海の日を国民の祝日にしているのは日本だけです。昔から、「海の幸」「山の幸」という言葉があるように、日本人は主要なたんぱく源として魚介類を摂取してきましたが、近年魚離れの傾向もみられるようになってきました。
　海は地球上の面積の約７割を占め、気温や季節変動に大きな影響を与えています。また、地球上の水分の97パーセントを占める海水は、ミネラルをはじめとする栄養・滋養に富み生物の連鎖に関連しています。今後は地球環境の保全という観点からも海の役割が一層高まるのは間違いありません。
　海の日にあたって、まさに我々生物の生命が誕生した母なる海について、考えてみたいものです。
（文責　中尾直史）