日本の祝日~建国記念の日

 明日は「建国記念の日」にあたっています。近年ハッピーマンデー制度の導入によって一部の国民の祝日が従来の固定日から特定週の月曜日に移動させることにより、土曜日・日曜日と合わせた3連休とするケースが増えきていますが、建国記念の日については2月11日ということで固定されています。それだけこの日は日本にとって重要な祝日ということになりますが、残念なことに日本の建国や歴史等に関するニュースはマスコミではほとんど取り上げられていません。このため多くの人は建国記念の日についての関心はほとんどないのではないかと思います。このような状況は決して褒められたものではありません。
世界の国々を見ると、イギリスやスペインのようにあまりにもその歴史が長いために、いつ国家として成立したかが正確に確定できないところもありますが、概ね建国に関する記念日が制定されています。これらは独立記念日を指すことが多いこともあって、国を挙げて自国の歴史を振り返っているようです。この日はかつて『日本書紀』が伝える神武天皇(初代天皇)即位の日として、1872年(明治5年)に制定された「紀元節」でした。この紀元節には全国の神社で「紀元節祭」と呼ばれ祭事が催されていたほか、庶民の間でも「建国祭」として祭典が行われていました。しかし太平洋戦争後「紀元節を認めることにより、天皇を中心とする日本人の団結力が高まり、再び米国の脅威となるのではないか」というGHQの意向で、1948年(昭和23年)に紀元節は廃止されました。
その後間もなく紀元節を復活させようという動きが高まりました。しかし、反対する動きもあってなかなか実現せず、やっと1966年(昭和41年)に、建国を記念するための祝日として、名称に「の」を挿入し『建国記念の日』として認められることになりました。この記念日の制定には実に20年近い歳月が費やされたということになります。
自分達が生まれ育った国の生い立ちや歴史についての理解を深めることは非常に大切であると思います。日本の建国に関しては『日本神話』や地方に伝わっている『風土記』をはじめ『古事記』や『日本書紀』等にさまざまな記述がなされています。
世界を見渡しても神話が歴史とつながり、現代に至っている国は日本しかありません。この記念日にあたって日本という国の生い立ちについての理解を深めたいものです。

(文責 中尾直史)

2023年02月10日