節分を迎えて

 〝節分ってどういう日ですか?〟という問いに対しては〝豆まきをする日〟と答える人が多いと思います。
しかし、節分の本来の意味は読んで字のごとく〝季節の分かれ目〟ということです。日本には春夏秋冬という四つの季節があるため、節分というのは立春・立夏・立秋・立冬の前日ということになります。つまり、節分は年に四回あるのです。日本の暦には、多くの節目が設けられていますが、この節目にあたっては、常に邪気を払う、身を清める、神に感謝するといったことが盛り込まれた行事が行なわれています。そして、この節分における代表的なものが豆まきです。
 豆まきの行事は平安時代から始まったようですが、季節の変わり目には邪気が入りやすいと考えられており、その邪気を追い払うことによって、春を無事に迎えようとする趣旨です。豆は「魔滅」に通じ、「鬼は外、福は内」という大きな掛け声で豆をまき、その豆を自分の年齢に一つ加えた数だけ食べるきまりになっています。また、「鰯(イワシ)の頭を柊(ヒイラギ)の枝に刺して戸口に立てる」というのは、焼いた鰯の頭の悪臭と柊の棘で鬼を追い払うという意味です。
十二支は方位を示し北東の方向が〝鬼門〟であるということを前述しましたが、これは鬼が出入りするという理由です。つまり東北というのは丑(うし)と寅(とら)の間にあたる艮(うしとら)にあたります。鬼は想像上の生き物ですが、よく見られる鬼の絵は牛の角を持ち虎皮のパンツをはいているのもこの理由なのです。

(文責 中尾直史) 

2023年02月04日