神様の話の場にいなかったトラは噂を聞き「本当かどうかはわからないが、皆に頼りにされている自分が外れるわけにはいかない」ということで、千里の道を駆け抜けて3番目に門をくぐりました。その頃、トリはいつものように、朝が来たことを知らせるかどうか迷っていましたが「神様からもらった大事な仕事をやらないわけにはいかない」ということで、大きな声で朝が来たことを告げました。これを聞いてリーダーになりたい動物たちは急いで身支度を整えて出発し、ウサギ、タツ、ヘビ、ウマ、ヒツジ、サル、トリ、イヌ の順で門をくぐりました。
途中でサルとイヌが大喧嘩をし、トリが間に入ってなんとか収まりましたが、そのため順番は後の方になってしまいました。仲の悪いたとえとして〝犬猿の仲〟という言葉がありますが、この訳が取り込まれています。また、門の前を走りすぎてしまったイノシシは、急いで戻り、最後の12番目に門をくぐる事ができました。こうして12の動物達の序列が決まりました。
そして、翌日、神殿に赴いたネコはネズミに嘘を教えられて干支の仲間になれなかったということで、この日からネズミを追いまわすようになりました。〟ということです。
これは干支についての理解を深めるために考え出された話ですが、動物の特性等も盛り込まれており、なかなか興味深いものがあります。
(文責 中尾直史)