日本の祝日~成人の日

 本日(1月9日)は元日に続く2番目の祝日となる『成人の日』です。
当初は1月15日とされていましたが、現在は2000年に制定されたハッピーマンデー法に基づき1月の第2月曜日に改正され、現在に至っています。
今年は昨年4月の改正民法の施行で成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたため、昨年中に18~20歳になった計341万人が揃って新成人になり大人の仲間入りを果たしました。
国民の祝日に関する法律(祝日法)では「成人の日はおとなになったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い励ます」とされていますが世界的に見ても、このような祝日は珍しいと言われています。
日本は太平洋戦争後、国土が荒廃し物資も食料も不足していた時代に最も必要とされていたのは「国を再建していく人材」でした。良い「国家」を作っていくためには、国民自身が成長していかなくてはならないと考え、〝こどもから大人になった自覚を持ってほしい〟と願ってこの日を祝日にしたと伝えられています。これは国の将来を担う子供や若者に大きな期待をかけていたことにほかなりません。
成人になれば、親の同意がなくても自分の意思でさまざまな契約を結ぶことができ、選挙権も与えられる等、社会の一員としての責任と自覚が求められます。
新成人の立場に立てば10代後半の多感な時期をコロナ禍の中で過ごし、行動も制限され苦しい経験をしてきています。また、現代の日本の若者は日本の成長期を知らず、チャレンジしない、元気がない等と批判されていますが、明治維新も戦後の日本も若い人達のエネルギーが国を変えてきたのは事実です。
昔、日本では数え年で15歳になると元服(げんぷく)という儀式が行われていました。適塾で医者の緒方洪庵に指示した後に西郷隆盛らと交流し、安政の大獄で刑場の露と消えた「橋本佐内」が15歳の時に認めた(したためた)『啓発録』があります。
この中に〝稚心を捨てる〟という言葉がありますが、志の高さに驚かされます。
成人の日にあたってこれらの先人の想いや生き様を学び、是非とも苦しかった経験を活かし未来を切り開くエネルギーに変えてもらいたいものです。
(文責 中尾直史)

2023年01月09日