気候変動への対策

 

 近年世界各地で異常気象による災害が頻発しており、マスコミ報道によると今まで経験したことのない、数十年に一度といった表現がなされています。
今年も世界中で猛暑が続き、北インドの熱波、南アフリカの洪水と土砂崩れ、ブラジルの洪水と地滑り、パキスタンの大規模な洪水、ポルトガルの山火事、中国やヨーロッパの干ばつなど、世界各地で異常気象が相次いでいます。また、海面上昇によりモルディブやツバルといった島嶼(しょ)国では居住地が減少するという深刻な状況に陥っていますが、これらの原因はすべて地球の温暖化がもたらしたものです。
この度、エジプト東部のシャルムエルシェイクで11月6日からおよそ90の国や地域の首脳が参加して開催されていた国連の気候変動対策の会議「COP27」が20日に閉幕しました。
この会議は1994年に発効された気候変動枠組条約に基づき、翌年から温暖化防止会議COP(Conference of Parties)として毎年開催されています。
今回の「COP27」は、気候危機とエネルギー危機の中で世界が連帯し、脱炭素社会に向けた歩みを加速できるかが論点でしたが、途上国が長年求めてきた新たな基金を設立するという成果文書を採択して閉幕しました。
しかし、それぞれの参加国の利害が浮き彫りになり、温暖化の原因である温室効果ガスの削減対策では前進がありませんでした。このまま地球の温暖化が進むと取り返しのつかない状況になるのは明らかです。これからどのような取り組みが必要なのか考えていきたいものです。
(文責 中尾直史)


2022年12月18日