凡事徹底の効用

 

民間企業から公立の学校現場に赴任して何よりも驚いたのは凡事徹底ができていないということでした。すべての学校ということではないと思いますが、挨拶ができない先生、書類が山積みされている職員室の机、掃除の行き届いていない廊下やトイレ等が散見されました。この結果、生徒たちの挨拶も今一つで下足場や教室は色々なものが散乱し、遅刻も多いという状態でした。この状況を見てまず手掛けたのが、早朝の生徒達への挨拶でした。最初はなかなか定着しませんでしたが、徐々に協力してくれる先生方も増えてきました。こうした挨拶運動を続けていく中で、次第に遅刻も減少してきました。
その後、私学の校長に就任してからもこの運動を継続しましたが、着実に学力も向上することになりました。また、部活動についても部室が清潔で、活発な挨拶が交わされ時間が守られているところは同様の成果が現れることになりました。
挨拶や掃除が学力向上とは関係ないと思っておられる人も多いと思いますが、決してそうではありません。
このように凡事徹底の浸透度が企業の業績や学校のレベルと密接に結びついています。そして、役所や病院、商店、家庭や個人についても同様のことが言えるのです。       (文責 中尾直史)

2022年05月10日