2022年読書週間にあたって

 

 11月3日の文化の日を挟んだ10月27日から11月9日の2週間は第76回『読書週間』です。
このルーツを辿ると、このルーツは1924年(大正13年)、日本図書館協会によって定められた「図書週間」で、読書の鼓吹、図書文化の普及、良書の推薦を目的とし、当時は11月17日から23日までの1週間でした。その後、戦争によって一旦廃止されましたが、戦後間もない、まだ戦火の傷痕が残る1947年(昭和22年)“読書の力によって平和な文化国家を創ろう”という決意のもと出版社,取次会社、書店、公共図書館、新聞・放送のマスコミ等の関係者が結集し、11月17日から名称も『第1回読書週間』として復活しました。この反響は素晴らしいものがあり、翌年の第2回からは現行の〝文化の日を中心とした2週間〟と定められ、この運動は全国的な拡がりを見せることになりました。こうして『読書週間』は日本の国民的行事として定着し、日本は世界有数の「本を読む国民の国」になったのです。また『読書週間』が始まる10月27日が、「文字・活字文化の日」に制定されました。
これまで日本が高い教育水準を維持することが出来たのは、この読書力が大きな要因であるのは間違いないと思います。ところが最近、テレビやパソコン、携帯端末を主とするメディアの急速な普及によって、本や新聞を読む必要も機会も減り、子どもや若年層の活字離れが進んできています。特に人文科学系の書物が読まれなくなってきていることと読む人と読まない人の二極化が顕著になってきているようです。その使い手が人間であるかぎり、その本体の人間性を育て形作るのに、「本」が重要な役割を果たすことは間違いありません。
各家庭においても、幼少の頃からお母さんが添い寝をして本を読み聞かせると共に子ども達に本を与えてきました。小さい頃から本を身近に感じ慣れ親しんでいる子どもは読書好きになると言われています。
昨今、日本では物質生活の豊かさに比べ精神生活の低迷が問題視されていますが、情操や論理的思考の基礎となる読書の習慣をつけることが一層重要になってきていると感じています。
(文責 中尾直史)

2022年10月28日