六つの実践(六波羅蜜)

 皆さんは、六波羅蜜(ろくはらみつ)または六波羅蜜多(ろくはらみつた)という言葉をご存知ですか。仏教では、彼岸に六つの実践を行なうことが大切であると教えていますが、これが六波羅蜜と言われるものです。彼岸の入り、彼岸の明け、彼岸の中日という言葉が残っていることから見ても、彼岸の中日をはさんだ六日の間にこれらの一つひとつを実践しなさいという意味です。今年は彼岸入りが20日、中日が23日(秋分)、彼岸明けが26日になっています。
  布施:他人に対して財や行ないによって施しをする
  持戒:自分を戒め、迷惑をかけず、日常生活の諸規則を守って人間らしく生きる。
  忍辱:苦しいことがあってもじっと耐える。
  精進:心身を精励し、あらゆる努力を惜しまない。
  禅定:心を乱さず現在していることに心を集中させ、日常の一挙手・一投足を大切にする。
  智慧:様々な修行を通し自分本来の姿に目覚める知慧(ちえ)を理解し、上記五つの実践を支える。 
  今、私達が住む地球では政治・経済・環境等で多くの課題を抱え、依然として民族間の紛争やテロ、痛ましい事件が後を絶ちませんが、誰もが平和で心安らかに仲良く暮らしたいと願うのは当然です。世界には色々な宗教がありますが、これらの六つはあらゆる宗教に共通した人間として常に心がけておかなければならないことではないかと思います。彼岸のこの時期に静かに日々の行動を見直していくことが大切ではないでしょうか。
(文責 中尾直史)

2022年09月21日