日本の祝日~山の日

 

8月11日は「山の日」です。法律が適用された2016年から2019年迄は最も新しい祝日でした。(今は天皇誕生日が変更になりました)
日本は国土のおよそ3分の2が山地で、周りを海に囲まれており、古来より山や海には特別の畏敬の念を抱いてきました。そして、海の幸、山の幸と言われるようにこれらの恵みに感謝しながら自然と共に生きてきました。
1995年に「海の日」が国民の祝日になると、山梨県をはじめ複数の府県で「山の日」ができ、その後2002年の国際山岳年に「山の日」制定の構想が本格化したのをきっかけに「山の日」を国民の祝日にする運動が全国的に広がり、2014年に祝日として「山の日」が制定され、2016年に8月11日を祝日とすることになりました。
わが国を代表する山と言えば富士山ですが、これまで何回も噴火してきた火山です。現在、阿蘇山、雲仙岳、浅間山、桜島、三宅島、十勝岳をはじめ111の火山があり、これは世界の火山の7パーセントを占めています。
これらの火山は溶岩でできているため雨がすぐに地面に浸み込んで地下水となって山の麓から湧き出し名水として重宝されています。また、火山の周りには多くの温泉が点在しています。今、日本はエネルギーの確保が課題になっていますが、火山の熱を利用すると地熱発電が可能になります。
また、山には多くの針葉樹、広葉樹などが群生し、国土の3分の2が森林となっており、世界有数の森林率を誇っています。これらを有効活用すると輸入木材に頼らなくても十分な量の建築資材を確保することができます。
更に火山灰の土壌は農作物の生育にも適していますが、農業従事者の減少により残念ながら耕作放棄地が増えてきています。
このように、日本には恵まれた環境があるにもかかわらず、これらを生かし切れていないのです。山の日にあたって、今一度考えてみたいものです。(文責 中尾直史)

2022年08月09日