立秋を迎えて


 8月に入り猛暑が続いていますが暦の上では7日は立秋です。この名前の意味は「秋が立つ」つまり秋を迎え始める時期に入るということです。
日本では太陽の黄道上の視位置によって1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、更にそれぞれを6つに分けてその分割点を含む日に季節を表す名称を付けています。これが二十四節気と言われるものです。
昼の長さが一番長い日を夏至、短い日を冬至「二至」とし、その中間を春分と秋分「二分」としています。そしてそれぞれの中間が立春・立夏・立秋・立冬と呼ばれる「四立(しりゅう)」です。
これらをあわせて「八節」と呼び、季節を区分する言葉として古くから日本において重要な役割を果たしてきました。そのためこれらは現在もカレンダーに記されています。
この他に更に細かく分けた雑節(ざっせつ)がありますが、この代表的なものが四立の前日にあたる節分です。現在二月の節分は豆まき等の定例行事としてなじみ深いものになっていますが、本来節分は土用と同様年に4回あります。そして、どの二十四節気も季節が完全にきてからではなく、その時期を迎える準備を促し、その時期ごとの儀式や風習を行うことになっています。
また、興味深いのは季節ごとにその時期に合った食べ物をとるという風習があります。この立秋の時期には水分の多いキュウリや西瓜、また体を冷やす素麺や冷麦が好まれて食べられています。
また、夏の疲れも現れ体調を崩しやすい時期になるため、暑中見舞いを出す場合には、この立秋を境に“残暑”見舞いに代えることになっています。
(文責中尾直史)

2022年08月06日