中村天風哲学の実践~松下幸之助氏①

松下電器での勤務を通じて松下幸之助翁の経営に対する考え方や人間としての生き方に触れることができたことは、私の人生にとって大きな財産になりました。
松下氏は実に多くの著書を出版されているので、これまでも機会あるごとに紐解いてきました。また、色々なところでの講話のテープも時々聞き直しています本人の肉声での話には臨場感があります。
今回、日本中で注目を集めた大谷翔平選手が薫陶を受けたとされる中村天風の哲学を紹介するにあたって、新たな気持ちで松下氏の思想を学び直してみると、随所にこれまで気づかなかった天風の思想が反映されていることが分かりました。
 松下氏は成功の要因として3つのことを挙げておられます。
一つ目は〝自分には学歴がなかった〟2つ目は〝身体が弱かった〟3つ目は〝お金がなかった〟というものです。
一般的に考えると、この3つはすべて失敗の要因に挙げられるものですが、これらの現状を素直に受け入れ、プラス思考で経営を進めてきたのが成功の要因ということです。自らの境遇を嘆くのではなく、色々な知識を持つ高学歴の人から多くのことを学び、自らの健康状況を考えて何でも自分でやろうとせず仕事を任せ、少ないお金をいかに有効に使うか知恵を絞ったということです。
松下氏は、身内の多くの人を結核で亡くされ、自らも若い頃に結核に感染されています。当時不死の病と言われていた結核を完治させ、積極果敢前向きに生きるという天風の思想に大いに感化されていたのは想像に難くありません。≪続く≫
(文責 中尾直史)

2025年02月05日