中村天風哲学の実践~稲葉和夫氏②

 

稲盛氏の著書を読むと利他の心の大切さを訴えておられます。
人は成功を収めても満足することなく、「もっと有名になりたい」「もっとお金持ちになりたい」と、欲望を際限なくふくらませてしまいがちです。そのようにして、生きていく上で最も大切な「足るを知る」ということや謙虚さを忘れてしまうことから、その成功が長続きしないのです。
私は、この宇宙には、すべての生きとし生けるものを、善き方向に活かそうとする「宇宙の意志」が流れていると考えています。
その善き方向に心を向けて、ただひたむきに努力を重ねていけば、必ず素晴らしい未来へと導かれていくようになっていると思うのです。
一方、足ることを忘れ、謙虚さを失い、ただ「自分だけよければいい」というような利己的な思いを抱き、自分勝手に行動するなら、宇宙の意志に逆行し、一度成功したとしても、それが長続きしないのです。

 そうであるなら、私たちは心の中に頭をもたげる利己的な思いをできる限り抑えるように努め、他に善かれと願う「利他」の思いが少しでも多く湧き出るようにしていかなければなりません。 例えば、他人の幸せを妬ましく思う心を抑え、一緒に喜んであげる、また他人の悲しみを自分のことのように嘆き、励ましてあげる、さらには他人への怒りを抑え、優しい思いやりの心で接する、というように、「心を整える」ことに努めるのです。
最近の風潮で気になるのは、自己中心的な考え方が主流になってきていることです。これは個人レベルだけでなく、企業レベル、国家レベル、世代間レベルにも広がっています。今一度、私達の言動を見直していかなければならないと思っています。
(文責 中尾 直史)

2025年01月30日