
前述したように、中村天風は事業家に対して〝トップの人間力が何よりも大切である。どんなに事業方針が確立していようと経営方策が完備していようとトップに立つ人々のパーソナリティーに欠陥があれば駄目だ。まず人間を作れ。それから後が経営なのだ。〟と言っています。
天風に直接薫陶を受けた人は10万人と言われており、この考え方を実践している人は数多くおられると思いますが、その代表的な方が、松下幸之助氏と稲盛和夫氏のお二人です。私が幸運だったのは奇しくもこのお二人に接することができたことです。
稲盛氏からは以前お話を聴く機会があり、その後多くの著書を愛読しました。
このブログでも何度か取り上げましたが、事業を始める時に〝動機善なりや 私心なかりしか〟と自問自答しておられることです。そして、人間として正しいことを追求するということを基本に京セラ、KDDI、日本航空の経営にあたられました。
更に、稲盛財団を設立して毎年人類社会の進歩発展に貢献された方々を表彰する『京都賞』を創設、更に若手経営者のための『盛和塾』の塾長として後進の育成に心血を注がれました。
また〝この宇宙には、すべての生きとし生けるものを、善き方向に活かそうとする「宇宙の意志」が流れている〟と語っておられますが、これは〝わが生命は大宇宙の生命と通じている〟という天風の思想そのものなのです。≪続く≫
(文責 中尾直史)