中村天風の波乱万丈の人生(Ⅱ)

◇33歳 キリスト教の異端的潮流ニューソートの作家オリソン・スウェット・マーデン(英語版)の『如何にして希望を達し得るか』を読んで感銘を受け、病気のため弱くなった心を強くする方法を求め、アメリカへ渡る決意をする。しかし、結核患者には渡航許可が下りなかったため、頭山満を通じて親交のあった孫文の親類に成りすまして密航する。
◇35歳 渡米後マーデンを訪ねるもあまり相手にされなかったため願いは果たせず。その後、色々なツテを頼って哲学者のカーリントン博士に面会した後、華僑の学生に成りすましてコロンビア大学に入学し、自らの病に関して自律神経系の研究を行う。
◇その後、ヨーロッパに赴きイギリスやフランス、ドイツで各界の著名人を頼って病気の回復に努めるが完治せず。失意のうちに死を覚悟して日本に帰国することを決断する。
◇その途中、経由地のアレキサンドリアで、彼の運命を一変させる人物に遭遇することになる。
この人物こそがインドのヨーガの聖人であるカリアッパ師であり、言われるままに彼に従ってヒマラヤ第3の高峰であるカンチェンジュンガ山麓にあるゴーク村に赴き、ヨーガの修行を行うことになる。
彼はこの時の経緯を『成功の実現』という書物の中で詳しく語っています。≪続く≫

(文責 中尾直史)


2024年12月01日