大谷選手の本を通じての学び

大谷翔平選手は野球界きっての読書家です。運を高めるという目標の中にも挨拶やゴミ拾いと共に〝本を読む〟を取り上げていますが、このテーマに関しては二人の恩師の影響があります。一人は花巻東高校の野球部監督であった佐々木洋氏であり、もう一人は日本ハムファイターズの監督であった栗山英樹氏です。
佐々木氏は〝何事にも広い視野を持って色々な考え方を取り入れ、人間性の成長をはかることが何よりも大切である〟という指導を徹底していました。
また、大の読書家として知られる栗山氏も〝野球以外の本から色々なことを学び人として成長できれば野球はうまくなる〟という信念を持ち、選手たちにも色々な本を送っていたようです。
 それでは大谷選手はどのような本を読んでいたのでしょうか。
ある時、テレビ局のインタビューに対する彼の答えを聞いて、私は驚きを隠せませんでした。稲盛和夫氏の「生き方」や「成功への情熱」、カーネギー氏の「富の福音」と共に中村天風氏の「運命を拓く」を愛読しているとのことでした。
稲盛氏については以前このブログでも取り上げましたが、京都セラミックやKDDIの創業者であり、日本航空の再建を果たされ、最近まで経営の第一線で活躍されていたということもあって、多くの経営者やビジネスマンから尊敬されています。
この一方で「運命を拓く」の著者である中村天風氏については亡くなられてから半世紀以上も経過しており、あまり知られていないように思います。
今回、改めて中村天風氏の著書を読み返してみると、大谷翔平選手の人生や野球に対する真摯な取り組みには同氏の考え方が数多く反映されていることがわかります。
 (文責 中尾直史)


2024年11月18日