大谷翔平選手の曼陀羅シートに掲げられている具体的な目標のうち、半分は野球に関するものなので、野球に関する技術的な内容についてはコメントできませんが、残りの半分にあたる部分は野球以外のあらゆるものに共通するものであるということを前回紹介しました。
まず、はっきりとした目標・目的を持ち、この達成のための執念は凄いものがあります。そのために仲間を思いやり、総力を結集することを心がけています。これは実際にWBCやドジャーズの試合の中でもチームを鼓舞する場面が随所にみられました。
そして、彼は〝愛される人間になる〟ということを掲げています。そのためには礼儀や思いやり、感性、感謝の気持ち、計画性といったことを上げています。
試合の中で、デッドボールを受けた時も痛さをこらえて笑って対応する、申告敬遠されたときも静かにバットを置き一塁ベースに向かう、ベース上でも相手チームの選手と談笑する、ファンにやさしく接する等といった光景を目にすることが多くあります。
更に、お金に対する執着心は薄く、人のためにお金を使うということを心がけています。被災地に対する支援、ホームラン・ダービーで獲得した賞金を球団職員に寄付、日本の子ども達にグローブを寄贈、背番号を譲ってくれた同僚の奥様にポルシェをプレゼント等です。
お金があるからできるのだという人もいますが、彼のこのような言動は社会全体に波及する影響力も大きいと思います。一人の野球選手というだけでなく、多くの人から尊敬され、子ども達の憧れの的になっているのです。
(文責 中尾直史)