日本の国の成り立ちについて記述されている歴史書と言えば、「古事記」があげられます。この古事記は天地の始まりから第33代の推古天皇までの日本の歴史を書き記しているものですが、単に歴史書という性格だけでなく、日本神話を伝えるものとして神道の基本となる日本人の心や文化の礎になっています。
この「古事記」の上巻の冒頭部分には[国生み神話]が含まれており、数多くの神様が登場します。その中でもイザナギの神とイザナミの女神が淡路島、四国、九州,壱岐、對馬、佐渡、本州等の14の島と35人の神様をお生みになり日本の礎を築かれたことが記されています。
これらの神様の中で、「高天原(たかまのはら)」という天界を治めていたのが、総氏神である「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」という太陽の女神です。そして、この弟が天照大御神を天岩戸に閉じこもらせてしまったという「天岩戸の神話」の主人公であるスサノオの命(みこと)です。この凶暴さのため彼は天上から地上に追放されてしまうのですが、私達の幼少の頃には、この神話をよく読み聞かせてもらったものです。
その後、天照大御神はこの地上の世界である「葦原中国(あしはらのなかつくに)」に孫のニニギの命(みこと)という神様を遣わすことにしましたが、この際に「3種の神器」と共に「稲穂」を持たせます。天照大御神の孫ということからニニギの命は〝天孫〟にあたるため、天孫降臨(てんそんこうりん)と呼ばれています。
このように、神様とお米とは深い関係があり、今でも神社には米や酒、餅等がお供えされています。
日本の神話には、〝因幡(いなば)の白兎〟、〝ヤマタノオロチ〟、〝海彦・山彦〟等興味深いものがありますので、機会を見つけて子ども達に読み聞かせてあげて下さい。
(文責 中尾直史)